記事一覧

3月の同朋の会

ファイル 36-1.jpg

今月も引き続き葬儀のかたちについてお話しを聞きました。

真宗の葬儀の話を聞いていると、人の死に対して感情的になることから少し距離を置く、という考え方があるように思います。
東日本大震災からちょうど5年という時期で、テレビ等から「慰霊」という言葉をよく耳にしていたので、たとえば「何の落ち度もないのに突然の事件・事故などで亡くなった方を慰霊する気持ち」なども真宗の教えからすると少し違うものなのか、住職に質問してみました。

「慰霊するという気持ちじたいは人間の自然な感情で、それが悪いわけではもちろんない。亡き人とお別れをしなければならない、という感情の部分を切り捨てるような『冷たい教え』というわけではない。ただ、『慰霊の感情』を越えた先のことを見てほしいという気持ちはある。
蓮如上人の有名な『白骨の御文』にあるように、『今日とも知らず明日とも知らず』おこりうるのが人の死。いつ死んでもおかしくないことを頭ではわかっていても、つながりの近い人との関係が断たれた時に、私たちは誰でも打ちのめされてしまう。その時には、どんな慰霊の気持ちも手遅れで、決して癒されず、報われない— そんなふうに自分の価値観がゆらぐ時こそ、教えに出会う契機になるのではないか…」というようなお応えを聞きました。
そして、それが葬儀というものの意義であるのかもしれません。

そんな会の直後、私の親しい友人の父が亡くなり、家族葬を選択した、という連絡を受けました。なんとも複雑な感情におそわれました。こんど彼に会ったら色々話してみたいと思います。

さて次回、次回の同朋の会は4月23日(土)14時~ です。
まだ少し寒い日が続きます。体調管理に気をつけて過ごしたいと思います。
(M)