2023年11月3日(金)は快晴、汗ばむくらいの陽気でした。
【報恩講】…なぜ必ず厳修されるのか、なぜ真宗門徒にとって最も大切な仏事なのか。
「原点に還る」というテーマで浄栄寺蒲ご住職にお話ししていただきました。
比叡山で自力修行に励んでいた親鸞聖人は、これでは救われないと絶望して山を下りられた。そして既に山を下りられていた法然上人のうわさを耳にし、上人を訪ねられた。法然上人のもとにはありとあらゆる人々が集まって教えを聞いていました。そこには老若男女、貴賤、職業を問わずまた身分のちがいや立場を越えた世界がありました。「これこそ浄土」、差別や比較することがない聞法の場でした。親鸞聖人は法然上人の教えに感動し、自ら教えを深め広められた。その教えが今も私たちにまで届いている…有り難いことなのです。
私たちは親鸞聖人の成されたお仕事に感謝し、その御恩に報い、後世に伝えていかなくてはなりません。
毎年勤まる報恩講は、教えに照らされ自分の有り様を省みるまたとない機会なのです。
(筆・坊守 釋尼育英)